2019/09/30 16:30


今年の5月に知り合ったブロガーをやっているイタリア人のAmbraちゃんにインタビューをしてもらいました。

The Flair Edit:https://theflairedit.com/interview-sakurako-nagaiwa-unvintagemilano/

英語とイタリア語でしか閲覧ができないので、簡単に訳したものをこの下に書こうと思います。

お時間があったら読んでみて下さい。


“The Future Is Vintage”


Sakurako Nagaiwa
(以下Sakurako)の受け入れ方には何かエレガントで洗練されたものがある。
彼女の家の香りやデコレーションからそういったものを感じた。


彼女が経営するオンラインショップdepopbase上では厳選されたヴィンテージアイテムが手に入る。
横浜で生まれたSakurako2017年に夫でフォトグラファーのDaniele Martireと共にunvintagemilanoを立ち上げる。


音楽の学歴を持つSakurakoは21歳の頃にイタリアへ移住する事を決意。
「音楽(クラシック)は自分の道ではなかったので、単純に自分の人生を変えたかった」
ミラノはストリートスタイルやリサイクルの文化に魅了され、IEDIstituto Europeo di Design)やIstituto Secoliでファッションについて学んだ。


私は、横浜にある素敵な彼女の家に会いに行き、unvintagemilanoやイタリアへの思い、将来について話を聞いてきた。



unvintagemilanoはいつ生まれたのですか?

2013年、2014年に私は両親が経営している貿易会社を通して自分が魅了された国であるイタリアからブランドやビンテージ品を日本へ輸入していました。

原宿で2回に渡ってポップアップショップを開催しました。その時、公式に契約が取れたのはFESSURAというシューズでした。

こういった活動を続けていくうちに、イタリアの学校でお気に入りだったビンテージ専門の教授や再利用の文化に魅了されていき、イタリアを中心にヨーロッパからヴィンテージ品を集めていきました。少しずつ集めていくうちに、今のようなオンラインショップを開いて世界中に販売する事ができたのです。これがunvintagemilanoを始めることになったきっかけです。



ヴィンテージへの情熱はどのように生まれましたか?

ミラノに引っ越した時に、この街や人々から伝統や過去に大きな影響を向けずに、都市と人々が新しいものに目を向けているという事に感銘を受けました。

日本にもこういった文化はありますが、都市では毎日のように新しいもので溢れています。


ビンテージは、すでに存在していた価値のあるものの中からリサーチする事ができます。


今日の社会には多くの無駄があり、私にとって過去に愛されていたものに新しい命を与える事は大きな満足を感じます。これにより、将来まだ着れる既に存在していたものを集めるようになりました。



unvintagemilanoのアイテムはどのように集めているのですか?

unvintagemilanoで購入できる商品のほとんどが、私も身につけれそうなアイテムです。品質を保ちながらシンプルさや自分に大きな影響を与えてくれる色をを大切にしています。大体の商品が80年代〜90年代があり、イタリア、イギリス、フランス、ドイツ、オランダなどから集めました。オーバーサイズのジャケットやふわふわな袖が付いているブラウス、50年代の手縫いの帽子やスカーフ、キャンドルスティックホルダーなど色々あります。日本に住み始めてまだ間もないですがここでも既にビンテージ品のリサーチをしています。日本にもたくさん中古品やビンテージ市場がありますね。



どんな事からインスピレーションを受けますか?

幼い頃から、あらゆる形で芸術に触れてきました。父や叔父は絵を描いていましたし、母は写真、姉も芸術の大学へ行きローマへ留学していました。私は父から芸大へ行きなさいと言われていましたが、母の教えで音楽をずっと続けていました。イタリアに来てからは写真に非常に興味を持ち始めました。ミラノに住むSIGNORA達のポートレートプロジェクトを行いました。

何年か前までは、周りの友人の影響もあり黒ばかり好きでした。ただし、自分が幼い頃から何か一色に惹かれるとそればかり集めてしまう癖があったし、自分の精神状態のバランスを保つためには様々な色を見る事が大切なことに気づいたのです。そうすると、創造力が広がるし、自分らしくいられると感じました。Pablo PicassoHenri MatissePaul GauguinAnne-Sophie Tschieggなどの画家、Man Repellerの創業者のLeandra MedineやデザイナーのJacquemus、Lala Lopezからはポジティブな影響を受けています。もちろん、インスピレーション先は日常の様々なものから受けています。

アートに加えて、ストリートスタイルに影響を受けているのは独自の組み合わせから個人の特性が溢れているからです。unvintagemilanoのアイテムも、一人一人のお客さんが好きに合わせて身につけられるものであってほしいと思っています。創造性に制限はありません。



ファッションフォトグラフィーに対しての情熱は何ですか?

写真を通して、日常をファッションに何か結びつけようとしています。日常に少しエッセンスを加えるような気分でunvintagemilanoのアイテムを取り入れて頂けたらと思っています。


2010年〜2011年は学校に通いながら、ELLE JapanのストリートスナップやBally、Marc Jacobs、Diesel Black Goldなどのコレクション写真を撮るアシスタントをしていました。F-Magazieでは、アートやファッション、サブカルチャーで生きる若者を中心に世界に広がっていってほしいという気持ちからフリーランスですがインタビュアー、ライター、エディターの仕事を全てやっていました。


完璧なスタイルの写真(商業的)は好きではありません。画質が綺麗なこの時代の携帯で撮る写真は、わざわざズームにしてザラつきのある方が好きです。自分の目で見たものを写真に収めているだけですが、そう簡単なものではありません。


良く出会った人の写真を撮っています。写真を通して視覚的にその人のストーリーを映し出したいのです。


夫の影響でストリートフォトグラファーというのも始めました。日常にあるものや文化、自分の目で見た日常に転がっているものを撮っています。写真に収める人はほとんどがファッション界では働いていない、元々カリスマ性を持った人たちだと思います。作られていない独創に影響を受けます。



unvintagemilanoを始める事になった最大のインスピレーションとは?

やはり、イタリアに住んだ事が一番の影響だったと思います。特に、街に溢れるストリートスタイル。元々ある自分の個性を生かしてそこにセカンドハンドや家にあるような素材を合わせるスタイルが面白かったです。みんな違うんです。ミラノで3年間ほど滞在した後に日本へ一時帰国する形でアシスタントスタイリストをやっていました。毎日寝る時間はほとんどなく、友達や家族と過ごしている時間もほとんどなかったと思います。イタリアは時間がゆっくり流れていたので、その時は時間がどんどん過ぎていき、とても厳しい環境だったので自分の人格も何なのか分からなくなる程でした。あまり役に立たなかったアシスタントでしたが、いつも外の人たちに私を紹介してくれていた時に「ミラノから来た子だから」と言ってくれていたのは少しばかりでしたが、嬉しかったです。あの時の経験や学んだ事は今の自分にもつながっていると思います。



日本へ帰ってきてどうですか?またどのようにunvintagemilanoに影響を与えてくれましたか?

合計すると8年ほどミラノに住んでいました。ある時、私とDanieleの間で何か自分たちの中で環境を変えなくてはならないと感じていました。イタリアか日本以外にも行きたい場所はたくさんありました。全く0から二人の人生をやり直したいと言う思いから。ただし、今の自分たちがリスクを負わない形で日本へ来る事を決めました。日本からずっと遠いイタリアにいた事で今は日本を客観視する事ができます。今もまだイタリアがとても恋しくなります。自分が21歳の頃に一人で行き戦い、失敗し、強く成長させてくれた場所だから。幼いことからの夢は自分のお店を持つ事です。



ヴィンテージの将来とは?

将来はヴィンテージだと思っています。ファッションは好きですが、今はそんな事は言っていられません。私たちは変わらなくてはいけないのです。

大量生産やマイクロプラスチック、低賃金で過酷な状況下で命の危険を晒してまで働く人たちがいると言う実態はとても重荷になっています。こう言った状況があるから、私は「反ファッション界」なのです。unvintagemilanoはとても小さなショップです。そんな私たちですが、新しいプロダクトを買わない。それだけでも何か変わっていってほしいし、今後の環境問題のためにもそう言う思いが隠れている事を知ってもらえたら嬉しいです。




読んで頂きありがとうございました!

Ambraちゃんは、動物や環境を考えたベジタリアンな女の子です。彼女のブログでは、動物実験を行なっていないナテュラルコスメやベジタリアンフード、彼女が好きなスタイルなど、細かくリサーチされた記事を読む事ができます。

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